「学びとは何か」を読みました。
この本は、「人間の良い学びとは何か?」ということにスポットを当て、よくまとめられているといます。最後の端書にも書かれていますが、作者がまとめるのに十分な時間をかけたことが功を奏していると思います。
この本で取り上げられている「スキーマ」という概念があります。人は誰でも無意識的に「常識」を脳内で作り上げていき、新しく出会った全ての事象に対して、その「常識」に当てはめて考えてしまう癖があります。これは大人になればなるほど、或いは思考を繰り返せば繰り返すほど強力になり、修正が難しくなる特性でもあります。このスキーマが正しいものであれば、その人の思考をフレーム化し(既存の知識に当てはめて、ある程度脳内の作業を簡略化すること)、処理効率を格段に上げてくれるのですが、そもそものスキーマが間違っていると、人間の学習に悪影響を及ぼしてしまいます。
また、人間が物事の処理に使うことのできる作業記憶(認知資源)の量は当然決まっており、処理の効率を上げるためには、いろいろな物事をバックグラウンド(つまり無意識)で処理できるように訓練する必要があります。このバックグラウンドでの処理は、作業記憶には含まれないため、作業記憶に使う意識を節約することができます。実際にバックグラウンド処理の能力を高める方法は、とにかく繰り返し物事に取り組み(例えば読書を繰り返してリーディング能力を上げる等)、自動的に(脊髄反射的に)物事が無意識に行えるレベルに持っていく必要があるということです。
さらに、これが一番大切なことですが、科学的思考・批判的思考です。多くの人は批判的思考というものを勘違いしています。ある著名な科学者も最近言っていましたが、知力を鍛えるためにはデータを集めて、分析し、論理的な仮説を立て、検証を行い、最後に反省をする必要があります。多くの人は、読書を読んで知識を得たつもりになっている場合がほとんどで、その読書から自分なりに意見(仮説)を持ち、それを噛み砕いてまとめ、実行していくプロセスを経る所までは行っていません。話の序盤で触れられていますが、いわゆる知識の単純な暗記は意味がありません。知識があってもそれを使いこなす力がなければ無意味であり、ここまで突き詰めるかどうかが大きなカギになっています。(例えば、メネラウスの定理を知っていても、何のためにどのようなタイミングで使うべきかがわかっていなければ意味がありません)
今このようにブログを書いていることも本の知識を自分なりにまとめ、それを脳内で反芻し、アウトプットしていることに大きな意義があると言えます。本当の学びとは、単なる暗記学習(文字通り何かをただ覚えるだけ)ではなく、自らがたくさんの事象を見つめ(それは例えば読書でもいいし、友人の抱えている悩みでもいいし、実際に起こったトラブルでもいいですが)、そこから論理的に仮説を立て、検証していくプロセスを持つことが重要です。
Life is Cool 〜華麗なる人生〜
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